18 7月
  • By CWS JAPAN
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【西日本豪雨災害支援】支援活動レポート2

CWS Japanが支援に入った岡山県真備町は、他の市町村と例外なく、高齢化率の高い地域です。

「認知症の高齢者の方々にとって必要なのは、施設という場所そのものよりも、地域ぐるみで見守るという機能です。」と、同町にある高齢者施設「ぶどうの家真備」に勤務する津田さんが語ってくれました。

ぶどうの家もこの度の水害によって浸水したため、現在、一時的に地域の公民館で高齢者へのケアを行っています。認知症の方々へのケアは24時間態勢で行わなければなりません。津田さんは、被災した認知症利用者がこれ以上、症状が進まないようにと日中も夜間も勤務しています。

「過剰な物理的支援は、被災者の復興する力を奪ってしまう。だから、今使っている公民館の仮眠スペースはとてもシンプル。」と津田さんは言います。「今一番必要なものは?」というこちらの問いに対して、「職員の補充」という答えが返ってきました。特に夜間対応してくれるスタッフ補充は喫緊の課題であり、このようなニーズに応えてくれるプロのボランティアが必要です。

このような職員の皆さんも被災者の一人であり、浸水した自宅を片付けて生活再建を行わなければなりません。被災したぶどうの家もおそらく直に建て直す必要があるでしょう。そうしなければ、いつになっても緊急期からの脱却は図れません。公民館での業務再開は復興に向けての最初の一歩としては良いと思いますが、重要なのは、施設という建物ではなく、地域での見守りというケアそのものです。

真備町は、倉敷市内よりも比較的家賃が安く、これまで市内の工業団地に通勤する人々のためのベッドタウンという機能を果たしてきました。これらの被災者の多くが、今後、真備町を離れ、倉敷市に転居してしまうのではないかと懸念されています。

復興までは決して簡単な道のりではありませんが、津田さんは言います。「この混乱が落ち着いた後、私達はこの災害を乗り越えて強くなったと言えるようになるだろう」と。

CWS Japanは、このような人々と共に、西日本豪雨災害の被災地で、仙台防災枠組の中で謳われているBuild Back Better(より良い復興)をどのように実現できるのかを引き続き模索していきます。