インドネシアでは地震や津波に加え、サイクロンや豪雨によって引き起こされる洪水や土砂災害なども多く発生していますが、特に2021年4月にインドネシア東部の東ヌサ・トゥンガラ州と東ティモールを襲ったサイクロン・セロージャによる豪雨と強風は洪水、地滑り、鉄砲水などの災害が発生したことで、多くの人的被害をもたらしました。その際、CWS Japanは特に被害が大きかったマラカ県にて2022年1月まで被災者の緊急支援をCWS Indonesiaと連携して行い、支援完了後に地域防災力強化に向けた調査を実施し、現地コミュニティと議論を重ねてきました。

その結果、同地域では気候変動の影響を受けてほぼ毎年洪水が発生するような災害リスクが高まっている一方で、コミュニティ・行政・非政府組織(NGO)・企業などのステークホルダーが一丸となった災害対策に取り組めておらず、それぞれがバラバラに計画を立てていることで、効果的な連携が生まれていないことが明らかになりました。※1

したがって、本事業ではマラカ県におけるコミュニティの災害レジリエンスが向上され、気象災害からの被災リスクが低減されるように、各コミュニティで災害対応のための能力強化を行う復興・防災支援事業を実施します。そして、関係機関の協力の下、地域の災害リスク削減が常に開発計画に反映され、減災効果を持続的に生み出せるよう、村・小地区レベルから県レベルの多岐にわたる関係者を巻き込んだワークショップや会議を開催し、効果的な連携を図ります。※2

©CWS Indonesia

2021年4月サイクロン・セロージャによる被害の様子。

©CWS Japan

事前調査の様子(2022年)。

©CWS Japan

事前調査の様子(2022年)。

事業概要

対象地域 インドネシア 東ヌサ・トゥンガラ州マラカ県および県内の13村(Kleseleon, Naas, Oan Mane, Lamudur, Fahiluka, Lawalu, Haitimuk, Motaulun, Fafoe, Wederok, Naimana, Railor Tahak, Motain)
事業期間 2024年12月〜2027年12月
主な活動内容
  • 防災・減災活動に関するワークショップや勉強会の開催
  • 災害対応シナリオの防災訓練の実施
  • 関係者横断会議の開催による災害リスク軽減行動計画と地域レベルの中期防災計画の策定