ラニーニャ現象の影響を受けた2022年の大洪水は、パキスタンの国土の約3分の1を水没させるという大きな被害を残しました。以前からCWS Japanが支援活動を実施してきたシンド州は、洪水の被害が最も大きかった地域の一つでした。水害発生後から被災者に対する緊急支援として現金や農具の供与等を実施しましたが、2024年3月より将来的に発生する災害に備えた防災力の強化を伴う復興・防災支援事業を始めました。

本事業は、シンド州南東部の農業地帯の6村を対象に、適切な水資源管理のための灌漑用水路や貯水池などのインフラを整備し、地域住民と共に防災計画の立案や災害に強い農法を学ぶことで、地域の災害対応力(レジリエンス)を高めることを目的としています。さらに、地域の防災計画を作る上で基礎となるハザードマップを、現地の人びと自らが作成できるように、ハザードマップ作成研修を現地行政や専門・研究機関の職員等を対象に実施します。

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洪水被害を受けた綿花畑の様子(2023年8月)。安定した復興に向けて適切な水管理インフラが必要になる。

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地域住民と今後の復興計画について話し合う様子(2024年5月)。持続的な復興と実践的な防災には、地域住民の主体性が欠かせない。

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ハザードマップ作成研修の様子(2024年8月)。地域住民が実践的に使用できるハザードマップを作成するためには、村の各住宅ごとの浸水状況など詳細なデータが必要となってくる。

事業概要

対象地域 パキスタン シンド州南東部 農業地帯6村
主な活動内容
  • 灌漑用水路や貯水池などのインフラ整備
  • 地域住民と共に防災計画の立案
  • 現地行政や専門・研究機関の職員を対象としたハザードマップ作成研修
  • ハザードマップの作成

活動報告