アニメｘ難民支援（Humanitarian Anime）

現在、世界中で食料不安、気候危機、紛争などにより1億人以上の人々が避難を余儀なくされています。これらの人々に対する人道支援、人的ビザや入国プログラム、コミュニティ・スポンサーシップ、家族再統合、労働移動、第三国での教育機会など、代替／補完的な支援方法について世界的な議論が行われています。
このような状況に対し、私たちは伝統的な支援方法に加えて新たなアプローチを模索しています。それが、「アニメと人道支援（Humanitarian Anime）」プロジェクトです。

このプロジェクトは、日本のアニメ業界と認定NPO法人CWS Japanが協力し、難民や避難民の方々にアニメ制作のスキルを提供することで、彼らが自立し、未来を築く手助けをすることを目指しています。

アニメーション制作は、クリンナップやタイムシートの読み方など、一定の基本的なスキルがあれば収入を得ることができる作業も含まれています。私たちは、これらのスキルを教えることで、難民や避難民が世界中のどこでもアニメ制作に関われる機会を提供します。この様にアニメと人道支援の融合が生み出す新たな可能性を、追求していきます。

このプロジェクトの想定されるインパクトは大きく、遠隔請負やオンライン指導を通じて、難民や避難民が生計を立てるためのスキルを習得し、アニメ制作に携わることで未来の道を切り開く手助けをします。また、副次的なインパクトとして、アニメ産業の労働者不足にも貢献し、グローバルな視野での産業の成長を促進します。

アニメという媒体は、文化を超えて心を動かし、人々に希望を与える力を持っています。「アニメと人道支援」プロジェクトでは、様々な形でのご支援を歓迎しています。資金や機材、国境を越えた就労の仕組みづくりなど、皆さまのご協力がこのプロジェクトの成功に不可欠です。一緒に、クールジャパンの力を活かして、人道支援の新たな可能性を追求しましょう！

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事業詳細

日本のアニメ産業の市場規模は約3兆円と言われていて、更に伸び続けています。その半分以上が海外市場であり、海外にも多くのファンを持つグローバル産業となっている今、制作に係る関係者においても更なるグローバル化が進む事が想定されます。作品作りを通し難民に技術指導・雇用の創出・自立支援を行うと同時に、日本のアニメ制作現場の慢性的な人手不足解消へ寄与出来ればと考えています。

アニメーション制作は以下のようなプロセスで行われ、一定の基本的なスキルやトレーニングがあれば収入を得ることができる作業もあります。特に第二原画のクリンナップをスタート地点として、本事業ではここからトレーニングしています。

クリンナップは、作監や演出が修正や指示を行った原画を仕上げていく作業で、対面研修やオンラインフォローアップを通じて技術を習得します。また、タイムシートの読み方も学び、図面や動きの順序を把握できるようにしています。リテイクになった素材は細かく指導し、次にリテイクを出さない為にはどうすれば良いか一緒に考えながら継続的な技術移転もしています。

パイロット事業ではインドネシアで第三国定住を待っている難民の方々や現地のインドネシア人で10名のチームを編成し、3度にわたる対面研修に加え、オンラインでの継続的なフォローアップやデジタル環境の整備を行いました（日本の製品を広く知って頂きたいという想いからWacom社のCintiqという機材を導入し、Clip Studioというソフトを使用しています）。

本事業の対象者である難民の方々は母国での迫害から逃れ、身内の不幸を経験しながら生き延びる為に国外脱出された方々です。滞在先の国では法的な制限もあり仕事にも就けず、第三国定住も申請をしても何年も待たされ、人によっては10年以上も何も出来ずに待ち続けています。そんな状況下にいる難民の方々を、国境を越えたアニメの力で自立に向けた後押しをしていけると我々は考えています。ある参加者は「今まで息が出来なかったところに空気を送ってくれたようだ」と話してくれました。「難民」というステータスであっても中身は我々と同じで、夢もあれば不安もある若者達です。彼らの潜在的な力を引き出し、一人ひとりが優秀なクリエーターとして自立していけるよう、本事業ではスキルの定着に加え、納期を守り質の高いアウトプットを出していくという基本姿勢を作っていきます。

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