【パキスタン / 洪水緊急支援】ご支援のお礼・中間報告
皆さま、この度は2022年6月中旬以降にパキスタンを襲った集中豪雨による大洪水に対する緊急支援への温かいご支援を、心より感謝いたします。
今回の集中豪雨は過去30年平均の2.9倍もの降雨となり、大洪水や地滑りなどによって深刻な被害をもたらしました。この災害により3,000万人以上が被災をし、たくさんの方が家を追われ、避難生活を続けています。
CWS Japanでは、現地パートナーと共に、発災直後から被災者支援を展開して参りました。仲間のピースボート災害支援センター(PBV)の協力や寄付者の皆様からのご支援によって、甚大な被害を受けたパキスタン南部のシンド州ウマルコート郡のサマロ&ピソロ地区において緊急医療支援を行うことができました。 この支援では、特に女性、子ども、高齢者、障がい者に焦点を当て、合計6,000人に予防と治療のための一次医療を無料で提供し、洪水の被害を受けた地域住民の健康状態を改善することを目的としています。
女性の医療担当者や現場スタッフを含めた緊急医療支援チームを編成し、被災コミュニティの住民と協力し合いながら最も支援を必要とする人々に支援を届けています。基本的に外来診療で患者を受け入れ、治療や投薬を行うとともに、劣悪な衛生環境下において自分達の身を守るための知識の啓発を行っています。現在までに、合計3,489件の医療相談が行われましたが、82%が女性と子ども、18%が男性でした(内訳は下表のとおりです)。主な健康問題は、皮膚病、下痢、マラリア、眼感染症、急性呼吸器感染症、胃腸障害、栄養失調などです。
2地区内の
被災対象村 |
相談件数 | 男性 | 女性 | 男子 | 女子 |
33村 | 3,489件 | 620人 | 1,114人 | 824人 | 931人 |
保健衛生に関する啓発セッションは48回開催し、合計1,466人が自分達の身を守るための知識を得ることができました。その半数以上は女性でした。これらの啓発セッションでは、水系伝染病、マラリア、デング熱、下痢、家族計画の重要性、性感染症、母乳育児などのトピックを取り上げています。汚染されている水で乳児のミルクを作らないなども重要な知識です。現在も支援は続けており、進捗を毎週レビューし、より効果的な支援を目指して、CWS Japanと現地パートナーとでチーム一丸となり取り組んでいます。
今後の課題としては、当初想定していた一日平均患者数80人よりも多い105人が受診しており、薬や供給不足、人材面で不足に直面する可能性があることです。引き続き、必要な支援を現場にて継続して参ります。皆さまのご理解ご支援何卒宜しくお願いいたします。
CWS Japan一同