08 8月
  • By CWS JAPAN
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【ベトナム / チエムホア県災害レジリエンス向上事業】ベトナムの災害リスクを軽減しています

CWS Japanでは、外務省NGO連携無償資金協力の枠組みを活用し、ベトナム北部(Tuyen Quang省Chiem Hoa県)の防災力向上を支援しています。これまでの取り組みの成果を、主に3つに絞り実例と共に紹介させて下さい。

見えてきた成果①:
GISを活用したハザードマップを現地が作成できるようになりました!

無料で手に入る30mグリッドのDEM(数値標高モデル)データを活用し、等高線マップを作成し、想定ハザードリスクを分析・反映したり、現地の被災履歴などをマップ化しています。理想としては災害が起きるたびにハザードマップが更新され、経験の蓄積が反映され、より安全で適切な行動が取れる事になる事です。日本側の介入がなくてもハザードマップ作成ができるようになった事は大きな一歩だと考えています。

見えてきた成果②:
危険箇所は事前に特定し、リスクの周知を行うようになりました!

地すべり危険箇所(亀裂が入っている場所や地すべりブロックが動いている所など)には丁張を設置し、地面の動き方を把握した上で、危険情報を通行人や車に伝える標識を立てたりしています。地すべりの他にも河川脇に水位計を設置し、増水時の水位を離れた場所からも目視できるようになりました。

見えてきた成果③:
雨量観測が小学校の通常活動として位置づけられるようになりました!

よく「防災を特別なことではなく当たり前のことに」と言いますが、学校で始めた雨量観測が学校の年次活動として位置づけられ、継続的に小学生が取り組む活動となってきました。もともとベトナムではまだまだ気象観測所が足りず、北部の山岳地帯では「隣の山では大雨だけどこっちは降っていない」の様な事はよくある事です。日本では大雨が降ると「大体~mmの雨」や「これはやばそうだ」と雨量からリスクを感じる事ができると思いますが、ベトナムのコミュニティにも雨量データと周りで起きている災害の関連性を認識し、より早期に安全な行動を取れるようになって欲しいと願っています。右の写真では、生徒たちの雨量観測データをまとめた表を先生が見せてくれました。特に大雨の際に「自分達の身をどう守るか」など授業でも議論しているようです。

これから現地コミュニティが一番大切にしている田んぼを、河岸浸食や洪水の影響から守る為護岸構造物の設置を行います。進捗や成果はまたニュースレターでもお伝えして参ります。