小海光様 |公益財団法人ウェスレー財団 代表理事 / CWS Japan理事
1. CWS Japanを知ったきっかけはなんですか?
私は、合同メソジスト教会の牧師で、90年代、2010年代のアメリカで教会の牧師をしていました。その時に、アメリカのCWS(Church World Service)の働きを教会として支援し、また支援活動、例えばCrop Walk (貧困問題撲滅へのアドボカシー)の参加や、2005年のニューオリンズを襲ったハリケーンカトリーナ緊急支援、2010年のハイチ地震被災救援のために献金を集めたり、ボランティアを募ったりの援助に関わりました。
CWS Japanは実は、2012年に日本に宣教師として派遣されてきてから初めて知りました。特に2016年にCWS Japanが企画した『ララ70周年記念フォーラム』で、北米キリスト教会からの支援によって始められたN G O団体の1つとして、ウェスレー財団も企画に関わり、北米クリスチャンたちの祈りと支援の歴史を振り返ることになったことが、連携の始まりです。この70周年の企画の一環で、ウェスレー財団が支援し、日本でのクリスチャンの支援の歴史を振り返った動画を制作しました。YouTubeにも掲載されていますね。これまでの活動を残していったり、今後メッセージを発信していく方法としては、映像やインターネット上のツールを活用したものが主流になると思うので、そのようなデバイスをどんどん活用していくことはいいことだと思います。
2. CWS Japanと連携して良かったことはなんですか?
まず、CWS Japanもウェスレー財団も、その元が北米キリスト教会による支援であることから、そのミッションの根底に、キリスト教の信仰に基づく愛による支援と共生の思いを大切にした人道支援があり、それを歴史からのレガシーとして引き継いでいると思います。
宣教師たちの働きを支えた、北米クリスチャンの思いと祈りが、日本の地に根づき、今、日本の NGOとしてこの地で活動していること、さらに、国外にも今度は支援の手を差し伸べるまでに育ったこと、このアイデンティティーを共有し合えることは大きな恵です。
CWS Japanもウェスレー財団も世界のミッションパートナーのネットワークを持っているので、その関係を大切にしながら、国際社会の1員として責任を担っていくことの自覚を認識しつつ協力していけることは、お互いにとって良いことだと思います。
3. CWS Japanへのアドバイスや今後に期待することはなんですか?
ウェスレー財団は、直接に人道支援を行うというより、人道支援をしている団体の働きを助成金という形で支援すること、また協働プロジェクトとして共に活動していくことをミッションとしています。CWS Japanは、災害・緊急支援活動への知識と経験が豊富なので、信頼して支援できると感じています。
今後への期待としては、ウェスレー財団のミッションであるリーダーシップの育成にも力を入れていったらと願っています。
支援活動は、一時的なもので終わらせないためにも、そのコミュニティの人々の自主性、自立性の育成が必須であると思います。たとえ、緊急災害支援であったとしても、防災のために、また、将来の災害の時に備えられるように、そしてその際にどう自主的に活動できるかという点を考えられるように、地域の人々のリーダーシップの育成が大切であると思います。そのために有効な投資をしていってほしいです。特に次世代のリーダーを育てていくことは、日本にとっても大切ですし、国際社会の日本の責任でもあります。
ウェスレー財団としても、若い世代の方々には、多様な経験をすることや何事もやってみるという姿勢を大切にしていただきたいですし、自分の今までの常識を覆す経験や自分に対する新たな発見と気づきが生まれる機会を提供したいと思っています。そのような経験や発見が、その後の人生のどこかで振り返った時に、そこかしこに散らばった無数の点ではなくて、繋がった線となり自分の可能性を広げてくれる宝物として残ると信じています。
CWS Japanにも支援が一方的なもので終わるのではなく、人材を育成する支援にまで発展していくように力を入れていってほしいと願います。そのために、ウェスレー財団と、また他のパートナーと共同して活動していければ良いと思います。