09 9月
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松尾沢子様 |支援の質とアカウンタビリティ向上 ネットワーク(JQAN)事務局 責任者

1.CWS Japanを知ったきっかけはなんですか

東日本大震災から半年経ったころにCWS Japanは被災地や東京でパートナーミーティングを開催されていました。CWS Japanとそのパートナー団体、その他災害支援の中で接点がある団体の間で意見交換をする場となっていた中、支援団体の能力強化(キャパシティビルディング)がテーマになった際に、中間支援組織である国際協力NGOセンター(JANIC)のNGO能力強化の担当者として参加したのが、CWS Japanを初めて知ったきっかけでした。

2.CWS Japanと連携して良かったことはなんですか

当時、東日本大震災という未曾有の災害にどのように国際協力NGOは対応していくのか、またそのネットワークであるJANICの役割はなにか、と考えていました。支援活動の長期化が不可避な中、支援団体のキャパシティビルディングが大切だというメッセージをCWS Japanからいただきました。CWS Japanは世界各地の災害支援において重視されていた「支援の質とアカウンタビリティ」を重視し、日本のNGO/NPOセクターが具体的にこれを実践するための取組を展開されました。

例えば2011年の秋には「人道支援の説明責任(アカウンタビリティ)と品質管理(クオリティ)に関するHAP基準2010」の翻訳、普及活動に欠かせないトレーナー人材の育成のために人道支援の国際基準として最も広く普及しているスフィアハンドブックなどに関するトレーナー養成研修を2012年から3回開催されました。JANICはこれらの活動を共に進めることで、従来のJANICの機能を活用した災害対応の活動のあり方を見出し、また日本の支援団体が国際基準を学び、東日本大震災以降の現場で実践していくことにつなげることができました。

日本のNGOの足りない部分や改善したいと考えている分野の把握から始まり、それを改善するための提案、予算の確保、自立的に推進するための仕組みづくりなど、CWS Japanが実施した一連のキャパシティビルディングに関する積極的介入については、その後の私自身の案件形成やネットワークの作り方で参考にさせていただいていますし、JQANはCWS Japanの存在なしには語れません。災害対応やキャパシティビルディングの経験が豊富にあり、被災地(支援対象となる現地)では本当に必要とされるものが何か、あるいはどのような視点・発想で現場に立つべきか、ということを熟知しているからこそ、同様の取り組みが日本でもできたのではないでしょうか。

3.防災支援・緊急人道支援で大切にしている貴社のアプローチや課題を教えてください

個人の尊厳と権利の保護の実現を大切にしています。自然災害が多い日本(の団体)は支援現場に行くだけでなく、支援の受け手にもなる可能性があります。

いつ自分も被災者になるかもしれない状況だからこそ、人としての尊厳や権利を守られたいし、守っていきたいと思います。そのためにあらかじめ他者とつながり、社会の仕組みの中で支援が提供される状態づくりが大切と考えます。キャパティビルディングと一言で言っても具体的には様々な要素・側面から取り組むことが必要となりますし、結果が出るまでには時間がかかります。そのため、JQANでも仲間を多くつくり、共に継続的に取り組むことを意識して進めていきたいと考えています。

4.CWS Japanへのアドバイスや今後に期待することはなんですか

CWS Japan設立から最初の5年くらいは東日本大震災が主な活動のターゲットだったかもしれませんが、その後も様々な国内災害に出動し、活躍しているのを目にしています。他の災害対応団体と比較すると、規模は小さい団体であるにも拘わらず、これだけ多くの災害に対応できているのは、前身から有するネットワークを活かし、被災した現地のパートナーとの関係性を大切にして、現地の資源を活用できているからではないでしょうか。2018年の西日本豪雨の災害対応は好例で、これは近年、支援の国際的潮流になっている支援のローカライゼーション(現地化)のモデルケースと言えると思います。全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)のような、日本国内で災害対応を実施する団体や機関が多く参加する場所に積極的に関わり、CWS Japanの認知度を上げることで、CWS Japanのこれまでの取り組みが他の日本の支援団体に普及されていくことを期待しています。

*「支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク(JQAN)」は、質が高く、受益者に対してアカウンタビリティを果たす緊急人道支援の実践に向け、スフィアをはじめとした国際基準の普及などに取り組むネットワークです。CWS Japanも幹事団体として設立から関わっています。JQANの紹介やスフィアハンドブックのダウンロード、研修の案内はJQANの>>ホームページ<<をご覧ください。