令和二年7月豪雨被災地支援報告 中間報告
先月から開始した当豪雨災害被災地支援ですが、現地パートナーである熊本YWCAの活動を通して、被災された方々一人一人の生活の様子や被災状況が徐々に分かってきました。
今回の支援対象地である熊本県人吉市に位置する球磨病院は豪雨災害の影響を受けた施設の一つです。被災直後は水道・電気及び電話等全てのライフラインが止まり、入院患者の方々は電気や水道が使えないまま数日を過ごされていました。その後、1週間以上も電話回線が使えず、入院患者の安否確認もままならない状態でした。ライフラインが停止し、エレベーター、空調設備等も停止したことから、熱中症患者も出ました。緊急転院可能な患者は転院し、残った患者は院内で不安な日々を送ることとなりました。
そのような中、自身も被災者である看護師、介護士などケアワークに携わるスタッフの負担も大きいことが分かりました。患者や病院利用者に対応する看護師や介護士などのスタッフは、例え自分自身が被災しても、患者や利用者を第一に責任を果たそうと無理をする傾向が高いです。もともと人手が足りないことに加えて、どうしても出勤できない同僚の仕事も分担するといった状態が発生し、発災後10日目の時点で、1日も休むことなく出勤していることから、身体と心を休ませたり、自宅の片付けや、また家族の時間を持てないといったスタッフが多くいました。
看護師や介護士などケアワーク等に携わるスタッフは、他者のケアはしても、誰かからケアを受けることは希で、被災経験があったり、被災していなくても災害の光景を毎日見たり、被災者の話を聞いたりすることを繰り返すことで、心の中には疲れや恐怖、トラウマを抱えやすい立場に置かれています。しかしながら、医療従事者という公共性の高い職業上、自身に対する支援の必要性を訴えることに気が引けると感じる方々もいらっしゃいますが、患者や利用者の方々への持続的な支援を行うためには、彼らを支援する人々(看護師や介護士など)を支援することも非常に重要です。
現地パートナーによる継続的な病院への訪問を通して、被災した看護師の方々とその家族のニーズに合わせた支援物資の調達/配布を行ったり、看護師の方々のお話しをお聞きするなどの支援を行ってきました。今後は現地パートナーを通して、看護師の方々とコミュニケーションを保ちながら、災害後の心のケアができるよう専門団体につないでいく予定です。