14 11月
  • By CWS JAPAN
  • Cause in

ララを支えた三人の宣教師たち③その3

ララ5つの精神

ララには5つの基本精神がありました。ララ中央委員会実行委員長として、バット博士は次の5つの基本方針を立てました。

第一に、援助を必要としているあらゆる人々に「公平」に配分すること。

第二に、ララの実施に際し、外国人はできるだけ表に出ないこと。配分計画や実施の具体的な活動は日本政府に任せ、ララ三代表は、裏方に徹し、外国への物資要請やGHQとの難しい折衝にあたること。

第三に、ララ物資を受けることにより日本人が依頼心を起こしたり、自尊心を失うことがないように配慮すること。

第四に、官民協働によりこの運動を進めることへの配慮を行うこと。ララはどこまでも民間人の自発的な運動なのであり、アメリカ政府やGHQの力がなるべく加わらないように努めました。

第五に、彼が好きだった聖句に「受くるより与うるは幸いなり」(使徒言行録20:35)があります。いつの日か日本がみごとに復興を成し遂げた時に、今一度ララの精神を想い出し、今度は日本人が他国の困っている人々に同じような運動を行うようになって欲しい。国家、民族、人種、宗教、政治的イデオロギーなどあらゆる相違、対立を超えて世界の人々と協力し、分かち合う国民に成長して欲しいとの強い願いを日本人に寄せていたのです。

70年という時を経て、日本は復興を遂げ、今日では外国まで出かけていき、他国に支援を行うまでの経済大国に成長しました。ララの精神はその後の人道支援に受け継がれているのでしょうか?また国内外において今後どのような人道支援を行っていくべきでしょうか?来る11/30のララ70周年記念フォーラムでは、これらララの精神をふり返るとともに今日の人道支援のあり方を考える場を創りたいと考えています。

写真:G.Eバット博士ポートレート (United Church Archives, Toronto. 76.001P/520. [Rev. G.E. Bott], n.d)