04 10月, 2022
  • By CWS JAPAN
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【アフガニスタン】食料危機への支援にむけて

今、世界で最も複雑な人道的緊急事態に見舞われているアフガニスタン。40年に亘る紛争、経済の低迷と現地通貨アフガニーの下落、干ばつや地震といった自然災害、貧困の拡大、加えて新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアのウクライナ侵攻による燃料、飼料、食料価格高騰の影響により、全人口の95%が十分な食料を得られていません[1]。アフガニスタン人道対応計画2022によれば、総人口の半分にあたる2,150万人、つまり2人に1人が、食料不安を抱えているとされています[2]。

食料不安を測る世界標準の総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification: IPC)でも、今年3~5月の間、アフガニスタンの総人口の約21%が「人道危機レベル」以上に(内5%は一番状態が悪い「飢餓レベル」のフェーズ5)、約31%が「急性食料危機レベル」のフェーズ3相当の状態にあります[3]。5歳未満の子どもにいたっては、重度の急性栄養失調で医療施設に収容される数が、2020年3月の1万6千人から今年3月には2万8千人と増えており[4]、拡大する食料危機に国際社会からの喫緊の支援が必要です。

CWS Japanはこうした状況に対して、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の「中東・アフリカ食料危機支援プログラム」のもとで、現地パートナー団体と共に状況の酷い地域の一つであるナンガルハル県で支援を近々行う予定です。

2022年2月から実施した緊急支援時の様子。当時の事業のアプローチと同様に食料品をメインとした、生命をつなぐために必要な生活必需品入手のための現金を配布します@CWSA

とりわけ深刻な危機に瀕している障がいや慢性疾患を抱えている者、高齢者、国内避難民、女性や子ども、貧困に苦しむ者、孤児といった脆弱な人々を優先に、食料品入手のための現金を配布する支援を展開していく計画です。本事業では、食料不安を抱えている人々が、受け取った現金で栄養価の高い食料や生命維持に必要なものを手に入れられることで、アフガニスタンの食料安全保障の改善に寄与することを目的としています。今後の活動状況については、引き続き折に触れて報告してまいります。