23 5月
  • By CWS JAPAN
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【アフガニスタン / 緊急越冬支援】中間報告

今年2月からアフガニスタン・ラグマン県にて緊急越冬支援を実施しています。

活動開始当初、本格化した冬に入り、現地の人々の生活環境はより過酷になり食糧危機の深刻化など、生命を脅かす危険性が高まっていました。国連の調査によると、冬の間に2,280万人が深刻な飢餓に直面し、870万人が緊急事態に陥る可能性があることが分かっており、WFPは、3人に1人が飢餓状態にあり、約200万人の子どもたちが栄養失調に陥っていると報告しています[1]。2021年9月の報告には、国中の全ての人口グループが影響を受けているものの、特に女性と女の子への影響が最も顕著であることが言及されていました[2]。アフガニスタンは占領後の金融危機により「壊滅的な悪化」に直面しており、経済を支えていた国際援助の多くが凍結されています[3]。食糧価格の高騰、経済活動や必要なサービスの停止により、食糧不安は急激に高まっており、COVID-19によってすでに悪化している人々の多くの健康状態も、差し迫った状態になっています。

以上の状況に対し、CWS Japanは現地のパートナー団体と連携し、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受け、緊急支援を開始しました。本事業では、現金を配布することで、人道危機の影響を受ける人々による栄養価の高い食料へのアクセスを向上し、厳しい天候から身を守るための物資を得て、命を守ることを目指しています。

活動開始から約3カ月経過しましたが、現地では選定基準に基づいて選ばれた脆弱な630世帯に現金が給付されました。選定基準は、国際人道支援組織の中で協議された支援戦略や現地対象コミュニティの代表者等の複数の関係者間で合意がとれたもので、下記が例として挙がります。

  • – 女性が世帯主の世帯
  • – 子どもが世帯主の世帯
  • – 障がい者のいる世帯
  • – 孤児を保護・養育している世帯
  • – 妊娠中・授乳中の母親がいる世帯
  • – 高齢者(60歳以上)の世話をしている世帯、または高齢者が世帯主の世帯

配布直後のモニタリングの途中結果から、裨益者は82%の現金を食料に使用していることが分かっています。聞き取りを行った裨益者の98%が、食料品の価格が大幅に上昇したラマダン(イスラム教徒が断食を行う期間)の間、CWSが実施した現金支援は非常に助かったと回答しています。また、現地行政や現地のコミュニティの方々、そのなかでも特に女性や高齢者、障がい者等、支援へのアクセスが非常に制限されている人々から、感謝の言葉が伝えられました。

今後も継続的な現金給付活動を事業期間内に行い、人道危機の影響を受ける人々による栄養価の高い食料へのアクセスを向上し、厳しい天候から身を守るための物資を得ることで、生命を維持できる状態を目指しています。引き続き皆様からの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

[1] WFP, Afghanistan set to be world’s worst humanitarian crisis, report warns, 25 Oct 2021

[2] UNOCHA, Flash Appeal Afghanistan, 5 September 2021, p.5

[3] UNDP, The Latest: UN: Afghanistan on brink of “universal poverty”, 10 Sep 2021.