27 4月
  • By CWS JAPAN
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【フィリピン / 台風ライ被災者支援】同じような被害を繰り返し出さないために

昨年末にフィリピン中部を襲った台風ライ(台風22号/2021年)は、「スーパー台風」と呼ばれるカテゴリー5となり甚大な被害をもたらしました。CWS Japanは現地パートナー団体のCDP (Centre for Disaster Preparedness)と共に、特に支援が届きにくいレイテ島南部で支援活動を実施しています。CDPとCWS Japanは以前より防災イノベーションの取り組みで共同しており、その経験が緊急時の連携に繋がりました。

住宅再建、安全な水の提供、心理社会的支援、地域の防災力強化の各分野での支援を実施するために被災地コミュニティ、現地行政府および関係者との調整を進めています。住宅再建では300世帯に対して、台風で壊れた住宅の再建に必要となる資金や資材の提供をする予定です。安全な水の提供では、台風によって上水設備が破壊された地域に合計10ヶ所の給水ポイントをコミュニティ内に建設し、地域住民約3,000世帯がこれらを利用できるようになる見込みとなっています。

心理社会的支援では、地域リーダーや地方行政の福祉担当者が心理的応急処置(ファーストエイド)を含む簡易カウンセリングができるように研修し、被災によってトラウマを抱えた地域住民が、必要な時に適切な心理的サポートを受けられるような地域の支援体制を確立します。被災者の中には、ちょっとした風の音を聞くだけで台風の恐怖を思い起こしてしまう人などもいるため、物理的支援に加えてこうした心理的な支援も大切です。

台風ライによって住んでいる家が破壊された高齢の住民。再建の支援を受けることができておらず、トタン板や木材などを集めて非常に簡易なシェルターを作ったが、より安全な住宅の再建が必要である。

地域の防災力強化では、日本以上に多くの台風が通過するフィリピンの地理的状況を踏まえ、再び台風に襲われた時に、同じような被害を繰り返し出さないために、より強靭な(レジリエントな)コミュニティを作るためには何ができるか、被災直後の今だから聞き取れる地域住民の経験と声を集めています。

残念ながら4月10日に発生した台風メーギー(台風2号/2022年)が、去年末の台風の傷が癒えていないレイテ島南部を再び襲い、地滑りなどによる人的・物的被害が発生しています。もともと開発の遅れた地域で、道路や通信などのインフラ整備も遅れた地域だったため、支援がさらに困難な状況になっています。しかし、CWS JapanおよびパートナーのCDPは、地域住民や現地スタッフの安全を最優先としながらも、必要な支援を確実に届けるために活動を継続します。引き続き皆様からの温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。