20 12月
  • By CWS JAPAN
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中間報告:インドネシアでサイクロン・セロージャ被災者緊急支援

2021年4月5日にインドネシア東ヌサ・トゥンガラ州に上陸した同サイクロンによる豪雨と強風は同地に、洪水、地滑り、鉄砲水などの災害被害をもたらしました(詳細はニュースレターNo.58)。この状況に対し、CWS Japanは現地のパートナー団体、CWS Indonesiaと連携し、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成のもと、緊急支援を開始し、緊急シェルターキットや衛生用品の物資配布、汚染された井戸の修復、そして対象コミュニティを基盤とした防災活動の促進を行ってきました。

防災活動は、より詳細に言うと、どのように災害が発生したのか、また地域における災害のリスクはどこにあるか等への理解を深めるために、災害リスク評価およびハザードマップ作成を行います。そして、最終的に被災コミュニティと協働で防災アクションプランを作成し、防災に向けてとるべきコミュニティのアクションを明確にする活動です。

当活動の中で、現地の被災者に4月に発生した災害時にどのような避難行動をとったのか等をインタビューし、次のようなことが分かりました。

  • 洪水は通常、年に2〜3回発生しており、今回のような大規模災害ではないにしても、毎年4月か5月あたりに洪水を経験していること。
  • そのため、雨季のピーク時前にトウモロコシといった農作物が収穫されるように、早めにトウモロコシを植えていたりしていること。
  • 家屋周辺にあるチークの木が密集して植えられていたエリアがあり、流れてきた水の勢いをとどめ、大きな土砂をおさえたために、その家屋には届くまでには水の勢いも緩やかになり、土砂の量も減っていたこと。
  • しかし、災害(洪水)が直撃する前に、被災者によって事前にとられた行動や避難行動は、被災者個人の経験や地域の慣習に基づいて個々に決定され、実行されていること。その中には、教会の鐘が長く鳴らされたとき、カエルが鳴いたときなどのサインを頼りにしている人々もいたこと。
  • 最も深刻な影響を受けたものの一つとして、農地や家畜の損失などの経済的損失が挙げられ、将来の洪水リスクをどのように軽減できるのか住民たちは心配していたこと。

これらのインタビュー結果をもとに、現在、まずはコミュニティ内でできる災害リスク軽減活動について、話し合っています。持続可能的かつ住民の方々が大事だと思うものを守れるような行動の特定することが目標ですが、同時に中長期的に現地政府等の他のアクターとの連携を通して進めていくべき防災活動についても協議する、よい契機になるように心掛けています。