03 12月
  • By CWS JAPAN
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石渡幹夫様 |東京大学大学院客員教授・ 国際協力機構国際協力専門員

1. CWS Japanを知ったきっかけはなんですか?

CWS Japanのことは4,5年程前から事務局長の小美野さんを通して知っていました。私が出席していた防災関連のセミナーや国連主催の国際会議に小美野さんも出席していたことからCWS Japanの活動も紹介いただきました。

東日本大震災被災地の気仙沼から石巻を対象にした復興におけるジェンダーの役割についての現地調査を一緒に実施したこともありました。そのようなきっかけを経て、CWS Japanのアドバイザリーとして関わり、2年経ちます。

2. CWS Japanと連携して良かったことはなんですか?

私も貢献していますが、CWS Japanは日本での災害対応後、その支援活動を通して見えた災害の教訓をまとめたレポートを出版しています(例えば、2018年 西日本豪雨災害、2019年令和元年東日本台風(台風第19号)2020年令和2年7月豪雨 等)。しかも、災害後まもなくしてすぐにまとめ、それらの教訓を発信します。これを実施しているアクターはそんなに多くありませんし、そもそも日本の災害の教訓を英語でまとめられたものも、世の中には決して多くありません。

また、これらのレポートには、ジェンダーの視点、避難所の環境や運営、貧困層等の弱者への配慮、新型コロナウィルス感染症による影響等、社会的な視点を含めて分析している点は非常に意義があると思っています。

3. 防災支援・緊急人道支援で大切にしているアプローチや課題を教えてください

従来の日本の防災は工学的または理学的な分析や援助が多いなか、上述したジェンダーの視点、避難所の環境や運営、貧困層等の弱者への配慮等に支援とニーズのギャップがあると考えています。従来のアプローチだけでは対応できないような、これらのギャップを埋めるための取組をCWS Japanがコミュニティとの連携を通して実践していると思っています。

日本の技術を活かしながら、コミュニティベースで防災活動を行うというアプローチというのは、日本で災害対応を実施しているNGOならではの強みなのではと思います。

4. CWS Japanへのアドバイスや今後に期待することはなんですか?

日本の災害経験を通したノウハウや経験自体を伝え、先進的な技術を活かして、海外での防災事業に、延いてはコミュニティのレジリエンス向上に繋げることは重要だと思います。このようなアプローチは公的援助ではカバーしきれない点であることも踏まえ、今後もCWS Japanが積極的に進めていくことを期待しています。