01 7月
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上島 安裕 様|一般社団法人ピースボート災害支援センター(PBV) 理事/事務局長

 CWS Japanを知ったきっかけはなんですか?

CWS Japanと共に活動をはじめたのは、2011年の東⽇本⼤震災でした。当時の私たちの活動の中⼼は、年間約3,000名の⼈々へ対し、地球⼀周の船旅を通した国際交流の機会を提供することでした。世界の⼈と⼈との「出会いの場」、グローバルな課題を「学ぶ場」をつくり、平和の⽂化を築いていく活動を30年あまり続けていました。しかし未曾有の⼤災害を経験し、⽇本の組織として、被災された皆さんに寄り添った⽀援をする為、本格的に災害⽀援をはじめるに⾄りました。その活動の全⾯的なパートナーとなったのが⽶国に本部をおいていたCWS さんです。

2. CWS Japanと連携して良かったことはなんですか?

私たちが現地に⼊ったときに⾒た光景は今でも忘れません。⽇本が誇ってきたインフラや、⾏政による⽀援体制が⾃然の驚異によって崩壊していました。そしてその解決の為に現地で求められていたのは圧倒的に⼈の⼒でした。私たちは現地から求められるニーズに答える為、ボランティアを組織化し、安全に活動するために様々な取り組みを⾏いました。現在のCWS Japanの代表者である⼩美野⽒は、何度も被災地に⾜を運び、私たちと共に被災地の状況を把握しながら、変化の激しい緊急期にも柔軟に対応頂きました。そのサポートのおかげもあり、発災から1年間で8万⼈に及ぶボランティアが私たちを通じて⽀援に参加し、10万⻝を超える炊き出しや、60箇所に及ぶ避難所⽀援、2,000件を超える家屋清掃、95団地5,400世帯への仮設住宅⽀援などを実現することが出来ました。

そして、CWS Japanと特に共感して実施出来たのは、⽀援の担い⼿を増やすことでした。⼤規模な⽀援を展開するなかでは、被災者とのコミュニケーション、ボランティアの安全管理やマネジメントなどの様々なスキルをもつボランティアリーダーの存在は⽋かせません。そしてそのリーダーひとり⼀⼈に、フェーズや場所、活動など様々な要素によって変化するノウハウも蓄積されていきます。このスキルやノウハウをもつ⼈材を増やすことで、より多くのひとを⽀える事ができる。そう信じて、リーダーの育成プログラムを開始しました。この取組は、ボランティアの育成だけでなく、次の災害に備える、防災・減災の取り組みとして拡がり、開始から10年間で1,000回、150を超える地域から依頼を受け、3万5千⼈以上が受講しています。
この取り組みによって⽣まれた、⼈や組織とのネットワークが今の私たちの活動の基盤となり、国内外で起こる⼈道⽀援を実施する⼤きな原動⼒となっています。

3. 防災支援・緊急人道支援で大切にしている貴社のアプローチや課題を教えてください

そして、いま、私たちが活動する際に⼤切にしていることは、「被災者が何を必要としているか」を中⼼に考え、⾏動する事です。その為には被災者の⽣の声を聞き続けます。そして地元のパートナーとなる⽀援者と協⼒し、息の⻑い⽀援を実施していける信頼関係を構築します。また前例にとらわれず、⾃由な発想で⽀援にあたることも忘れません。これはCWSさんから学んだ姿勢でもあります。

4. CWS Japanへのアドバイスや今後に期待することはなんですか?

CWS Japanは、常に⼈道⽀援のビジョンを⽰し、様々な知⾒を⽇本の団体へ浸透させました。そして常に仲間を増やし続ける取り組みを惜しみません。またグローバルな課題へ対する⼈道⽀援も積極的に実施しています。これからもその指針となる⾏動を継続し、⽇本のNGOをリードしてくれる事に期待しております。