28 8月
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【九州北部豪雨災害2017】活動ストーリー 5

【災害と地域住民】
「朝倉市杷木 中川夫妻」

初めて中川さんの泥かき作業に伺った時、発災からちょうどひと月が過ぎていた頃でした。自宅に隣接された資材置き場は背丈以上の高さの泥の山で埋め尽くされていました。20人の人海戦術で作業してもとても終わらないほどの大変な被害でした。水道工事業をされているので、泥の中からは大量の鉄管や塩ビ管が出てきました。

商売の方は、資機材も置くことができず、車両も2台が土砂に埋もれてしまい、今回の災害以降、ずっと休業しているそうですが、それでも、工事依頼の電話がじゃんじゃんかかってくるそうです。併設されている自宅の方も1階が土砂に埋まったため、現在は、隣町の親戚の家に身を寄せながら片付けのために日々通っています。豪雨災害発生時は、短時間であっという間に家の周りが水に囲まれ、避難所には向かわず、自宅の2階で雨が止むのを待ったそうです。

初めて作業に入った日は、私たちと会話することもなく忙しそうに出入りしておられました。翌日、公民館で地域の方々向けに主催したマッサージと昼食会のチラシを持って訪ねた時は笑顔で迎えて下さいました。残念ながら、交流会当日は、法事で外出するため参加できないと言っていたのですが、その話を聞いて、私たちの知らない間に黙って、会場となった公民館の壊れていた水道を修理しておいて下さったのです。

「普段はそんなに地域の奉仕活動を積極的にする人じゃないんだけど」という話を地域の方から聞き、とても驚いたと同時に、何だか、私たちの支援活動に対して、感謝の気持ちを返して下さったように感じ、心がじんわりしました。