25 2月
  • By CWS JAPAN
  • Cause in

【新宿区多文化共生防災事業】外国人相談会開催報告

2022年2月11日(金・祝)に外国人集住エリアである大久保地区に位置する日本キリスト教会柏木教会にて新宿区に在住、在勤、在学する外国人を対象に無料の生活物資配布と相談会を開催しました。

今回の相談会開催の目的は、(1)首都直下型地震の緊急支援に備え、支援が届きにくいとされる外国人のなかでも、同地域内で生活困窮する外国人を把握し、平時から必要な支援につなげること、(2)外国人当事者の孤立化を防ぐため、支援交流を通してコミュニティにつないでいくこと、そして(3)同地域における私達支援者の存在と支援拠点の存在を認知してもらうことです。当日は弁護士や女性問題等の専門家にご協力頂き、様々なお困りごとに対応すると同時に、ハラール食品やフルーツ等を含む食品に加え、希望者には生理用品、衣料品等も来場者に提供しました。

開催前日は都内23区で大雪警報が出ており、水分の多い積雪が長い時間続いたため、会場へのアクセスが制限されることが心配されました。会場は常時換気のために寒い環境でしたが、当日はお天気で特に目立った影響もなく終えることができました。

午前11:00から午後3:00までの受付時間の間、合計17名(内5名が女性)の来場者が相談と食品受取のために来場しました。アフリカ系外国人が9名、アジア系外国人が8名という内訳で、前者が多様な国からであったのに対し、後者はミャンマーからの方々でした。

相談内容には、仮放免であるために就労できず生活が苦しいことと、健康に関する悩みや、定期的な食料支援のニーズ等に関するものでした。その場で解決できず、外部の支援が要される場合においては、CWS Japanが中心となり、関係支援団体や新宿区行政に繋いだり、問い合わせたりなどし、対応していきます。相談内容の中には公的支援ではカバーできないようなケースや公的支援でカバーできるけれども自力ではその支援までたどり着けないケースもあり、私たちのような民間支援団体や市民社会組織による支援や彼らとの繋がりの重要性を改めて認識しました。

また、当日は新宿区内の災害時に身を守るための施設と平時から生活困窮者支援を行っている団体情報を記載した「新宿区サバイバル情報」を配布しました。今後もこのような情報の発信と助けを必要とする外国人とのコミュニケーションの場として、facebook内グループの「新宿区OTAGAISAMAプロジェクト」を活用したいと考えています。

開催後の関係者からのフィードバックでは、「広報する際にチラシ等に女性だけのスペースが確保されていることを明記した方がよかった。」「健康/医療相談も入れた方がいい。」「開催日を祝日や休日に設定する場合、1,2カ月前に告知をした方がいい。」等のご意見を頂くことができました。

今回はCWS Japan・ACTジャパン・フォーラムが中心団体となり、難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連)のとの共催のもと、たくさんの方々にご指導やご協力を頂きながら、開催にこぎつけることが出来ました。初回ということもあり不慣れなことが多かったのにも拘わらず、無事に当日を終えることが出来たのもその皆様のおかげです。

今後もCWS Japanは災害時に支援の手が届きにくい外国人を把握し、誰一人取り残されないような地域の創造のため、このような外国人相談会やアウトリーチ活動を継続してまいりたいと思います。皆様の温かいご支援とご協力を頂けますと大変幸いです。

※この活動はトヨタ財団の2020年度国内助成プログラムしらべる助成の採択事業の一環として実施しています。