01 3月
  • By CWS JAPAN
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【ベトナム / チエムホア県災害レジリエンス向上事業】2年次が開始しました

ベトナムは災害多発国で、近年は経済成長や気候変動に伴い被害が拡大する傾向にあります。2020年から事業を実施しているCWS Japanの対象地域では人口の8割が少数民族で、人々は農業に依存しており、ベトナムのなかでも特に開発が遅れている地域:チエムホア県です。チエムホア県では、洪水や土砂災害による農地の破壊、物流網の寸断、家屋の損壊などの災害が人々の生活に与える影響は大きく、地形的にも樹枝状に発達した河川が複雑な流路網を有し、豪雨時におけるベトナム北東部の遊水地となっているため、毎年のように被害が発生しています。

このような状況に対して、わたしたちは2020年から、外部専門家の協力のもと、災害リスクアセスメント研修をオンラインにて実施しました。現地パートナー団体であるCWS Vietnamが現地にて参加者に対する通訳、議論の活性化、現地の文化や環境に則したより理解しやすい研修内容の伝達を行い、オンラインの研修であっても、研修内容に理解が十分に得られるようにしました。そのほかに、実地研修からオンライン研修へ変更したことによる研修内容への理解度低下を避けるため、参加者間での相互な議論の場を設けたことで、活発な議論や質疑応答、意見交換が行われました。そして、理解促進のために継続的な課題を設けたことで、課題提出を通した研修参加者の理解度の確認を行うことができました。また、議論をした結果、それぞれのコミュニティにおいて頻発する災害の特質を理解するなかで、その災害の経済的被害が大きいにもかかわらず、コミュニティの人々による防災への必要なアクションが取られておらず、効果的なリスク削減行動が行われていないという課題があることが判明しました。

これまでの活動を踏まえて、今年開始する2年次では、各地域にて頻発する災害リスクに対しコミュニティレベルで具体的な対応策がとれるよう、ハザードマップ作成及び運用に関する政府関係者への技術移転(どのような災害がどこで発生しているか住民がわかるように可視化し、定期的に情報更新すること)に加え、各対象コミュニティにおける人民委員会等による防災マップ作成(コミュニティ内のリスクの高い箇所を検分し、住民ができる減災方法を検討し、リスクとリソースをマップに落とし込むこと)を目標としています。

新型コロナウィルス感染症の終息が未だ見えないなかでの、事業の実施となりますが、感染リスク軽減に十分に努めたうえで、目標達成のためにできる方法を現地の人々と模索したいと思います。