19 8月
  • By CWS JAPAN
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ミャンマー / エーヤワディ地域マウビンタウンシップにおける5歳未満児の栄養改善事業

2015年にエーヤワディー地域で発生した洪水被災者緊急人道支援を通して、マウビン地区における5歳未満児の30%が栄養不良に陥っていることが判明したのを機に、2016年4月~2019年3月までの3年間、味の素ファンデーションから助成を受け、5歳未満の栄養不良児を持つ母親達を対象とした栄養改善事業をCWS Myanmarとの協働により実施しました。

被災地の中でも特に貧困度や地域開発への関心度を考慮して計15村を対象村に選定し、5歳未満児492人の内263人/世帯(第1年次:95世帯、第2年次93世帯、第3年次75世帯)の栄養不良児を対象としました。本事業では、1)栄養・衛生教育、2)養鶏、3)家庭菜園、4)母親達による自助グループ(計15)の形成、5)母親リーダー(計30名)育成という包括的アプローチによる支援活動を通して5歳未満児の栄養改善を目指しました。

開始当初、対象者の95%が1日2食を摂取していたのに対して、終了時には、95%の対象者が1日3食摂取するようになりました。また、食事の質については、開始当初、90%近くの対象児童が最低限摂取すべき5大栄養素を摂取できておらず、特にビタミンAを多く含む果物や緑黄色野菜の摂取量が不足している状況でしたが、エンドライン調査では、全対象世帯が主食の米と共に地元で獲れる魚またはエビを基本とした食事を日常的に摂取し、その内96%の対象世帯が最低1日1食は野菜を摂取するようになり、食習慣が変化したことが分かりました。

エンドライン調査時の対象児童のうち生後12ヶ月~59か月の児童のDDS(Dietary Diversity Score)を調べた結果、4つの食品群以上を摂取している子ども達が65.9%であり、これはベースライン時調査時の10.8%をかなり上回る結果となりました。また母親のDDSについては、ベースライン調査時の25.3%と比較して、エンドライン調査時には51.9%まで向上しました。このようにして、食事が改善されたことにより、ベースライン調査時には対象児童の79.7%が衰弱だったのに対して、エンドライン調査時には、7.7%に減少していました。

このように、開始当初想定していた目標値を超え、成果を達成できたのは、自分達の子どもの健康を願う母親達の真摯に学び、日々の食生活を変えるための行動変容の結果だったと考えています。本プロジェクトは今後、CWS Myanmarが引き続き継続していきます。